《ブエナ・ビスタ》復活
シリーズ11点、一挙登場。聴いたことのないアルバムが随分あると思ったら、10年前は発売されなかったものがかなりあるらしい。初めて聴いた中では断然、右のオマーラがよかった。うまい歌、品のいいメロディに目のない向きには絶品のアルバムだ。
録音当時、彼女はすでに70を超えていたから、スローなボレーロやグァヒーラではさすがにヴィブラートが目立つが、発声にも表情にも無理な力みがないので耳障りにならない。あくまで優しく温かく、後ろからそおっと肩を抱いてくれるような歌である。
音楽は内容だ、音質じゃない、という意見もあるだろうが、それは必ずしも正しくない。オーディオマニアの行きすぎた音へのこだわりにはオレも付き合いかねるが、本来の音質が十全に生かされないのでは、いい音楽も死んでしまう。
シリーズ全点の発売とオリジナルな音質の回復で、《ブエナ・ビスタ》シリーズは今回初めて完全な形で紹介されたと言えるのではないか。恒例『世界の音楽を聞く』レコード・コンサート@渋谷・国境の南は、次回この《ブエナ・ビスタ》シリーズを特集します。お楽しみに。