侯孝賢の新作
を観ていて、あれっ! 劇中、パリの下町(メニルモンタン)に住む少年がジュークボックスでシャンソンを聴くシーンがあるんだが、そのジュークボックスのディスプレイの中にダハマーン・エル=ハラッシの顔があった。ほんの一瞬しか映らなかったが、ぜったい見間違いじゃない。あの顔は、間違えようたって間違えられるもんじゃない。
Fassiphone盤でエル=ハラッシが復活したばかりだから(日本でも1枚だけ出た)、かもしれないが、メニルモンタンは移民地区のベルヴィルから目と鼻の先だし、この辺りでは彼の歌が忘れられず聴き続けられてきたんじゃないだろうか。
侯孝賢(ホウ・シャオシェン)もエル=ハラッシを知っていたのだろうか。それよりはやはり、スタッフが土地の空気を画面に取り込むために気を利かせた可能性の方が高いだろう。または、現地のカフェにロケしたら、店先のジュークボックスにたまたま入ってた? ともあれ、歌は流れないが、ちょっとだけ映画に親しみが増した。あ、言い忘れたけど、《レッド・バルーン》というタイトル。なかなか風味豊かな佳品です。
ところでイスラエル国内から、シオニズムに根拠なしの主張が出てきたらしいね。「ユダヤ人は民族や人種ではなく、宗教だけが共通点」と。アラブ人も民族ないし人種ではなく、アラビア語を話すことだけが共通点だそうだが、そうすると現在のイスラエルとアラブ諸国の対立ってのは、なんかすごくバカらしいことに思えてくる。
それにしても、こういう説を国内で発表できるだけ、イスラエルは自由なのかなあ。サウジやエジプトじゃ、これだけ政府の公式見解と食い違う言説はまず許されないだろうね。