75歳以上のドライバーに使用が求められる「もみじマーク」が変更されるそうだ。老人差別だと不評で、当初の義務が要請になり、あげくに変更。なんでそんなに遠慮せななんないワケ?
怒りっぽい、ひがみっぽい、愚痴っぽい……トシ寄りの欠点は数々あるが、中でも悪いのは、想像力が乏しくなることだ。自分のドライブ能力が年々落ちて、ヘタすると人身事故を起こすかもしれない、ということが想像できない。車は凶器になりうる、という想像力が働かない。
ウチの近所に90近い医者がいるが、このジジイが耳もほとんど聞こえないクセに、格好だけ聴診器を患者にあてがって法外な診察代を取ってやがる。会話もロクに聞き取れないのに、聴診器が使えてるわけがない。そんなマネごと診察をやって、重病の徴候を取りこぼしたら、どうする気だ。
自分の過失責任に思いが及ばないところが、老人の最大の悪である。オレもトシ寄りだけどね。
カネと労力を使ってもみじマークを変更する必要など、サラサラない。変更するなら、もっとはっきりトシ寄りドライバーだと分かるようなドギツいデザインにして、使用を義務にして、違反したジジババからは思いっ切り高額の罰金を取るべし。
これって、「後期高齢者」と似ていて本質は正反対の問題だよ。
ひと月近く、仕事に追われてブログの更新もままならず。この間、何がいちばん印象に残ったかというと、都議選でもなくアソーの断末魔解散でもなく、オバマにサインを貰ったときのイチローの嬉しそうな笑顔だった。首をすくめて舌出して、まるっきりイタズラっ子。あのくらい純粋じゃないと、一芸に秀でることなんて、できないのかもねえ。
芸に秀でるといえば、円熟の芝居を久しぶりに堪能した。ナマじゃなくテレビだが、大滝秀治、奈良岡朋子という民芸の大ベテランが共演した舞台の中継を随分前に録画しといたわけ。今日やっと観たら、まー二人のうまいのなんの、口あんぐり絶句してしまった。
ま、厳密にいえば、さすがに大滝はちょっとセリフに聴き取りにくいところはあったけど、奈良岡は衰え微塵もなし。共鳴の豊かな声はよく通り、セリフ回しは立て板に水。気っ風のよさだけじゃなく、純な心を残した女の愛らしささえ醸し出す。
中身は下町の人情に母物メロドラマがからんで、民芸より新派が上演した方がいいような芝居だが、この二人が演じると、さんざん使い古された題材がリアルな説得力をおびるのだから役者の力はこわい。類型的な曲もうまい歌手がうたうと生き生きするのと似てるね。
ちなみに、奈良岡朋子という女優さん、美空ひばりのうまさを真っ先に認めた一人でもある。日本のインテリ層がまだ、ひばりをヤクザと親しいチンピラ歌手としか見ていなかったころだ。そういや彼女のスムースなセリフ回し、ひばりが少女時代にうたっていたスムースな歌と通じるよなあ。(ついでにいうと、最後までひばりの悪口を言ってたのが、淡谷のり子というド下手)
話変わって、清原が傷だらけの顔で出てくるビールのCM、笑えるね。ノラ猫に向かってこられて怯えた表情になるところが特にいい。清原に初めて好感を覚えた。